注※：2016年1月販売開始。従来品のバージョンアップ品です。
■製品コンセプト
ローディングノズル内のフローバルブ（ピストンバルブ）のガス流量をコントロールし、パワーの調整を目的としたスプリングです。
従来品から得られたデータをフィードバックし、2016年1月にバージョンアップし、Ver.3となりました。
今回の主な変更点は、スプリングレートの最適化、使用時荷重の最適化によるパワーの安定化です。平たく申し上げれば、幅広い調整を実現し、初速の乱れを極力少なく出来るようにスプリングレート設計を見直したということになります。
スプリングに使用する鋼線を吟味して、信頼の日本国内工場で生産。
ストライクアームズのノウハウを結集して完成したスプリングです。
■スプリングレート
スプリングの強さは、5種類
ベリーハード（銀）
＞ハード（黄）
＞ノーマル（青）
＞ソフト（赤）
※新Ver.ミディアム（緑）追加
となっています。
設計値が元々参考にしていたWE海外仕様純正品から乖離してしまったので、比較からは外しますが、WE純正品は大体ベリーハードとハードの間です。
選択の基準として考える事項の主なものは、
・インナーバレルの長さと内径（長くボアが大きいほど発射ガスが多く必要）
・初速の安定化（インナーバレル内の容量に対して、発射ガスが少ない場合は安定しない）
・ガス圧（圧が高い場合は早くバルブが閉まる傾向）
・バルブ閉鎖タイミングによる発射とブローバック作動とのバランス
になります。異論もあると思いますが当店の考えとしてはこのようになります。
以上は本バルブスプリングだけで決まる要素ではありませんが、取付け本体の仕様決定後に微調整が必要な場合非常に有効なスプリングになります。
インナーバレルとローディングノズル、マガジン放出バルブのバランスと気密の取り方などでかなりGBBの性能は変化します。もちろん気温などの環境要素も重要です。
小難しい言い方になっていますが、単純に使いたい時には、ベリーハードが最も初速が出て、ソフトが最も出ないと考えて下さい。
初速が出る（上がる）ということは、ガスは発射側に多く使われているということになります。GBBの場合はボルトキャリア（あるいはスライド）が後退して、マガジンの放出バルブが閉まりますから、ガスの消費量は少し多くなります。ということは作動性は低下の傾向にあるということですから、ベリーハードを単純に使えば良いと言うわけではなく、組込本体の仕様に合わせてバランスの良いものを組込むのが一番良いはずです。
バランスが良いものを組むとパワーと作動が安定する傾向になりますから、HOPの掛りも一定になる方向になり、弾道の乱れを少なくなり、仕様によっては飛距離も伸びるでしょう。
あまりに多くのことに関わるパーツなので、こんがらがってよく分からないという方もいらっしゃると思います。そういうときはとりあえず組込んでみて下さい。複数レートで試せば傾向が掴めます。
正直GBBの場合この機種にはこれが最適だというのはありません。使用環境が揃えにくいのがGBBですから、ご自身が使ってみて具合の良いものが最適解です。
従来のピストンバルブスプリングは色々な方に使って頂いているので（代理店やカスタムエンジニア、エンドユーザーまで）、使い方が分かっていらっしゃる方には説明不要だと思いますが、初めて使ってみるという方の参考になれば幸いです。
・新Ver.ミディアム（緑）
Umarex VP9やVFC G36に用いられているようなロングタイプです。
スプリングレートはソフト並みに柔かいですが長い自由長でしっかりとプリロードをかけることによりバルブ閉鎖タイミングをコントロールし、初速の安定化と作動性の両立を目指しています。
当然バレル長や機種によりますが、初速の傾向としては概ねノーマル前後ベリーハード以下といった印象です。
※密着長も純正や他バリエーションより長いのでバルブが締めきれない機種もあるかもしれません。予めご了承下さい
閉鎖出来ることを確認してからご使用下さい。形状の関係でAMG アンチフリーズシリンダーバルブシリーズとは組み合わせ出来ません。
■交換による主な効果
・パワー（初速）の調整効果。
・バレル容量(長さ、内径）とのバランスを取ることで命中精度アップ
・バルブ閉鎖タイミングのバランスを取ることで作動性アップ
・ガス圧による差を小さくすることによりパワーの安定度アップ
■対応機種
・WE製 オープンチャンバーシステム GBBライフル全機種
・WE製 GBBハンドガン（一部機種除く）
・東京マルイ製 GBBハンドガン（一部除く）
・VFC製 GBBライフル（一部除く）
・KJ製 GBBハンドガン（一部機種除く）
・StarkArms製 GBBハンドガン ※Hogwards含む
等、負圧式フローバルブを搭載する機種でスプリング外径約7mmを使用する色々な製品に使用できます。
■テスト結果
このテスト結果は保証されるものではありません。あくまでテスト環境下での結果となります。参考用データになりますので、鵜呑みにせず交換後はパワー計測して安全にお楽しみ下さい。
メーカー：VFC
機種：MP7A1 GBBR JPVer.（純正状態、整備のみ実施）
BB弾：CYC 精密バイオBB弾 0.2g（5.95mm）
ガス：サンダーシュートガス HFC134a（100%）/リキッドチャージ
マガジン内圧力：約0.6MPa（射撃直前の値）※38-40度くらいに温めた状態
平均初速：
・VFC純正：85m/s ※サービスパックではない
・ベリーハード（銀）：95m/s
・ハード（黄）：92m/s ※一番初速ブレが少ない
・ノーマル（青）:86m/s
・ソフト（赤）：83m/s
メーカー：東京マルイ
機種：ハイキャパ カスタム（ロングバレルカスタム）
BB弾：G&G 精密バイオBB弾 0.2g（5.95mm）
ガス：HFC134a（100%） メーカー名不明
マガジン内圧力：未計測 ※人肌程度に温めた状態
最大初速（約）：
・元：90m/s
・ベリーハード（銀）：90m/s
・ハード（黄）：84m/s
・ノーマル（青）:79m/s
・ソフト（赤）：74m/s
■組込時の注意点
・組込時にバルブの作動範囲が適正の範囲にあるか確認して下さい。仕様、機種によっては制限がある場合があります。
・組込む際にローディングノズル内の気密はしっかり取って下さい。ほとんどの場合シールパッキンにシリコンオイルを塗布することで十分です。
・初速が変化しますので、弾速計で計測して下さい。
■注意点
・このパーツは上級者向けパーツです。機関部の分解が必要になります。カスタムは自己責任でお願いします。
・マルイのハンドガンが分解組立出来るレベルの技術があれば十分カスタム出来るレベルの作業になりますが、細いピンや細かいパーツが多い部分ですので十分に注意して作業してください。
・スプリングのさび防止にオイルが付いています。組み込む時はオイルを落としてシリコンオイルを小量吹いてあげてください。
・判別を容易にするため、ラッカーで色を付けてありますが、使用している内に落ちてしまうことがあります。色での判別が必要ない場合は組込む前に色を落として下さい。またものによって塗料が多めについている場合があります。
・製造原価アップにより2019/6から値上げ致しました。
