第1章:【オリジナル】バルブスプリングについて
当製品は、結構昔から販売しておりまして、ストライクアームズが設計し、製造は東北地方にあるバネメーカーにて製造をしています。
このバネは、ガスブローバック製品のローディングノズル内に設置されている、フローバルブ(負圧バルブと呼ぶこともあります)を支えているバネです。
ローディングノズルとは何ぞやという方に説明すると、ガスブローバック製品において、マガジンから放出されたガスを受け止め、弾を発射するガスとブローバックさせるガスに分ける役目と、マガジンから弾を拾ってチャンバーに送り込む役目があります。
超重要部品といって差し支えなく、ガスブローバック(GBB)製品には、ほぼ間違いなく搭載されている部品です。
当バルブスプリングは、そんなローディングノズル内にあるフローバルブを支えており、ガスの切り替え(発射/ブローバック)を担当しているバネです。
フローバルブは、後退位置がデフォルトの配置ですが、この状態だと銃口側が大きく空いている状態で、チャンバーにガスを送り込むことができます。
チャンバーにガスを送り込むと弾が発射されます。
ガスがたくさんすごい勢いで銃口側に流れると、どうなるのか。
フローバルブは負圧になり、銃口側に引っ張られることになります。
バルブスプリングが、この負圧に負けてフローバルブが閉まると、ガスの流れは後ろ側に切り替わります。つまりブローバックが本格的に始まります。
どのくらいでバルブが閉まるのかを決めているのがバルブスプリングであり、とても重要なパーツであることがお分かり頂けたと思います。
※WA社のマグナシステムは機械的に切り替えるので上記で説明したものとは異なります。
規格としては、明確なものがあるわけではありませんが、事実上スタンダードといえる、東京マルイ製に適合するサイズを主に販売しています。
世の中にあるGBB製品の7割程度はカバーできる大変汎用性の高いものとなります。
なんだかマニアックな部品だなと思われる方が多いと思いますが、全くその通りです!(笑)
この手の製品を作り分けているメーカーはほぼおらず、深堀しているメーカーもほぼいないマニアックなパーツです。
安いので儲かりませんし、仕方ないですけれども。
私たちは、誰も作ってくれないので作ってしまったのです。
この製品は、バネの強さ。便宜上バネレートと呼びますが、複数ご用意しています。
分かりやすく言えば、発射側のガスを増やすのであれば、レートが高いほうが良く、初速が上がる傾向にあります。フローバルブはバネがしっかり支えていて閉まりにくい訳です。
発射側のガスを増やすということは、ブローバック側のガスに切り替わるタイミングが遅くなるということです。
つまり燃費が悪化します。1回のブローバックでガスをたくさん使うからです。マガジンも冷えます。気化で熱を多く奪われるからです。
ただ、これが目に見えて悪化するかというと機種によります。
元々ガスの消費量が多い機種は、バネレートが高いバネを入れても難なくブローバックします。燃費もほぼ悪化しません。
では、逆はどうでしょうか。
バネレートを低くして発射ガスを減らす方向にするとどうなるのか。
当然初速は下がります。しかし、フローバルブは早く閉まる、ブローバック側にガスが切り替わるのです。燃費は上がります。
これも、どのくらい上がるのかは機種によります。ほとんど変わらない機種もあります。
これは、ローディングノズル内だけの話です。
ノズルの先にはチャンバーがあり、インナーバレルがあります。
チャンバーを気密が高い状態に保つとロスが減ります。パッキンもそうです。
硬度が柔らかいゴムは、圧力が高まると漏れているかもしれません。
硬いゴムであれば、漏れないかもしれません。でも、HOPの掛かり具合にも影響します。
難しくなってきました。
更にインナーバレルはどうでしょうか。
素材は置いておくとして、内径は色々なものが売っています。細いものはバレル内の容積が減りますので、ガスが効率よく弾に伝わります。
太いものは逆に同じスピードで弾を飛ばすのにより多くのガスが必要です。
命中精度は、ガスで弾を覆うほどに外乱の影響が抑えられることが多いです。つまり太いほうが良い結果になりやすいのです。細いほうは効率は良いのですが、弾をガスで覆う量が少ないです。外乱に弱くなりますので、長距離では不利になります。短距離は細いバレルでも太いバレルでもそこまで変わらないことが多いです。
これに長さを加えると、長ければ容積が増えます。弾を飛ばすのにガスが必要になります。太くて長いバレルは、細くて短いバレルに比べると弾を飛ばすのに必要なガスが多くなるでしょう。
ただし、長いバレルは、弾を加速する効果も高くなります。
実銃でバレルが長いライフルのほうが初速が高いものが多いです。火薬のパワーを長く一定の方向に飛ぶ力として受け止める時間が長いからです。
でも、それは十分に飛ばす力(ガス)があるからです。
長いバレルは大量のガスが必要です。足りないとどうなるのか。
弾は推進力を失い、失速します。
経験がある方も多いと思いますが、長いバレルを採用している機種で初速が低いものがあると思います。失速が原因であることがあります。ガスの量が足りていないのです。
バルブスプリングに戻りますが、ローディングノズル内の話だけではなく、
その先の仕様にも関わっていることがお分かり頂けたと思います。
大変マニアックで面倒な、でも、奥深いセッティングの中身が少しは見えてきたでしょうか。
ガスの量を調節できることが、どれほどGBBのカスタムにおいて大事な要素であるか、ご説明出来ていれば良いのですが。
闇雲にカスタムするのではなく、ある一定の方向でパーツ選びをすると、カスタムがはかどると思います。
もちろん、上記は、初めて知った方からすると大分マニアックではありますが、マニアな方からすると極めて基本的な話でその通りにならないこともあるので、ご了承ください。
気づいたら1時間半くらい書いておりました。カスタムの仕事をしろと怒られてしまいます。残業します。
皆さんのお役に立てたら幸いです。
好きなことはいくらでも語れてしまうので、困ってしまいますね。
では、今回はこの辺で!
【今回ご紹介した商品】
【オリジナル】各社GBB対応ピストンバルブスプリング
(フローバルブスプリング)Ver.3 WE/VFC/マルイ/KJ/StarkArms等